「シェリル様?」


少女の肩に湯をかけていた手が止まる。


「動かない……動かない……動かない!」


少女は手を握って感覚のない脚を叩いた。


叩くたびに湯船の湯が跳ねる。


「シェリル様! お止めください」


少しでも力を入れれば折れてしまいそうな手首をアメリアは押さえつけるようにして掴んだ。


シェリルにはその手を振りほどく力もなかった。


シェリルは肩を震わせ、大声で泣き始めた。