そんなふたりを見てエミリオが口を開いた。


「アメリア、いつも彼らはこうなの?」


熱くてやってられないというようにアメリアに聞く。


「ま、まあ……こんな感じです」


アメリアが戸惑いながら答えた。


夜会はレオンとティナの出席でいつもより盛大さを増していた。


そして、ヴァンパイアはティナから漂う血の香りに興奮を抑えられない。


エミリオの気軽な会話のおかげで、ティナの緊張はだんだんと解けてきた。


そこへその空気を邪魔するように、カサンドラが現れた。


「まあ、ティナさん。夜会へいらしたのね」


カサンドラがにこやかにエミリオの隣に座る。