ティナは思い切って大広間の中央に目を移してみた。


キラキラ光る大きなシャンデリアの下で人間と変わらない姿のヴァンパイアたちが踊っている。


だがその中に口まで裂けた男女も踊っており、目にしてしまったティナはビクッとした。


「ティナ、人間と変わらない姿のヴァンパイアはこの中でも30%ほどしかいない。あとはどこかしら醜い部分を持っているんだ。怖いのなら見ない方がいい」


レオンがティナの緊張を見て言った。


「夢見が悪くならないといいが……」


レオンは手を伸ばしてティナの頬を指でそっと撫でる。


「大丈夫です」


レオンがいてくれるから。