「ティナ様、行かれなければご主人様は困った立場に……」


「困った立場?」


ティナは可愛い顔には不釣り合いに、眉根を寄せた。


「はい 跡継ぎの欲しいガナンシア様はご主人様に美しい女性を数十人、はべらせるのです。もちろんご主人様は本意ではございません。ですからティナ様がご主人様のお傍に居られればそういうこともなく……」


ティナはアメリアの言葉を想像してみた。


レオン様の周りにカサンドラさんのような美女がたくさん……?


そんなの嫌だ。


「……行きます」


ティナは恐怖心を隠しきれなかったが、レオンの周りに美しい女性がいるのも嫌だった。