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「カサンドラ、お前は帰れ。用は無い」


「そんなことおっしゃらないで。レオン様にそんなことを言われると胸が痛みます」


その言葉にレオンが馬鹿にしたように笑う。


「お前に胸が痛むという言葉があるとは驚きだな」


片方の眉を上げてカサンドラに鋭い目を向ける。


「わたくし、レオン様を誰よりも愛しています。昔のようにわたくしに触れてくださいな」


カサンドラはレオンの冷たい視線をものともせず、レオンの肩に手を置き身体を近づける。


胸の開きすぎたドレス、細いうなじが見えるように結い上げた髪。


誘惑するのに必要不可欠な条件。