「どうかしたのか?」


レオンが離れると、キョトンとしたティナに眉根を寄せる。


スッとティナの指がレオンの唇に触れる。


「レオン?歯は尖っていないけど?」


ティナの思いがけない言葉にレオンが笑う。


そしてティナの手をつかみ自分の犬歯に触らせる。


普通の人間と一緒だった。


「やっぱりない。レオン様は血を吸わないヴァンパイアなのですか?」


「いや、そんなことはない……牙はその時に出てくる」