そして音もなく近づいてきたレオンに半分中身の残ったカップを渡す。


まだ残っている中身を見て、レオンが眉根を寄せる。


「もうお腹がいっぱいになった?」


その言葉に目の前の少女はコクッと頭を下げた。


無理強いしてもと、年代物のアンティークサイドテーブルにカップを置く。


「体力がまだないせいだ。眠るといい」


レオンはシェリルが驚くのもかまわずに隣に身体を滑らせた。


「あ、あの……?」


「余計なことは考えないでよい。眠るんだ」


レオンはシェリルの身体の下に腕を差し入れ横にさせた。


そして手を少女の瞼の上にそっとかざす。


かざした手を退けた時にはシェリルは眠りに落ちていた。