まだ夜も明けていない時刻、ベッドの上でティナはぐっすり眠っていた。


「ただいま」


レオンの繊細で長い指がそっとティナの髪に触れる。


髪に手を触れれば唇を頬に触れたくなる。


その時、ティナがパチッと目を開けた。


「レオン……」


薄暗い中、レオンの顔がすぐ近くにあって驚いた。


明け方に帰るって言っていたのに……。


もう朝……?


頭をめぐらして窓の方を見るとカーテンの向こうはまだ暗い。