「レオン様が暖かい飲み物をご所望だ」


「ご主人様が飲むわけがない! あの娘が飲むんだ!」


ダーモッドが興奮したように顔を赤らませながら、アメリアの後に付いてきた。


アメリアはそんなダーモッドに立ち止まり、これ見よがしに溜息を吐くと、飲み物を作りに厨房へ入った。


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シェリルは暖かいココアを口にした。


それは喉から胃まで、暖かさと甘さが染み込んだ。


レオンはいつものようにイスに座り、シェリルと名づけた少女を見守っている。


ココアと言う飲み物は甘くて美味しかった。


でも数日間食べ物を口にしていないシェリルの胃は小さくなり、全部飲めなかった。


「ごちそう様でした」


シェリルは申し訳なさそうに伏し目がちに言った。