「レオン様」


そこへ父親の側近タイラーがいつの間にか傍にやって来てレオンを呼んだ。


「何用だ?タイラー」


レオンが方眉を上げて白髪の体躯のがっしりした男に言う。


「ガナンシア様がお呼びでございます」


腰を折って言う姿は英国の貴族の世話係、執事のようだ。


「父上か……」


レオンは思いっきり吐息を吐くと立ち上がった。


素直に父王の元へ向かうレオンに、タイラーは満足げに頷き歩き始めた。