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「レオンはヴァンパイアの王子様なの?」


レオンが部屋を出て行った後、苦しそうに表情を歪めてティナは聞いた。


羽根布団の端をぎゅっと握り締めて苦痛を我慢しているみたいに見える。


身体が痛いわけではない。


精神的に苦痛を感じているのだ。


わたくしにはありえない感情だが、この少女と接するうちにそんな感情があるということがわかった。


「お身体を楽に。話しますからお食事を召し上がってくれますね?」


エミリオが話しかけた話……あの時は聞きたくなかったが、今は知りたくなった。


ちゃんと知った上で自分のことを決めようとティナは思った。