眩暈が治まると車イスを探す。


「あった……」


だが車イスはティナには手に届かない場所にあった。


ダーモッドが心配で、車イスに乗り探しに行きたかったのだ。


扉が開く音にビクッとしてティナは見る。


「エミリオ様……」


扉を開けたのはエミリオだった。


口元に笑みを浮かべたエミリオは「入って良いか」と尋ねる。


ティナはコクッと頷くとエミリオはすぐ傍までやってきた。


「まだ熱があるんだろう?起きて大丈夫?」


ティナの潤んだ空色の瞳を見て聞く。


「……大丈夫です」