背筋がぞっとするぐらいに冷たい声が響いた時、エミリオが動いた。


エミリオはティナのところへ目に見えぬ速さで来ると、華奢な体を抱き上げた。


ティナは驚いてエミリオを見た。


エミリオが優しくティナに微笑む。


「もう大丈夫だよ」


ティナの身体から血の匂いが強く香る。


エミリオはティナにわからないようにグッと歯を食いしばった。


「足から血が出ているようだね」


長いドレスの裾でわからないが、強い血の匂いは足の方からだ。