ティナは気が遠くなりそうだった。


男のギラギラとした紅い目にティナは動けない。


「お前も父と母の元へ行くがいい」


爪が鋭く尖った指で、ティナの細い腕を掴むと身体が持ち上がる。


鋭く尖った爪が柔らかなティナの肌に食い込む。


「い、いや……っ……レオン……」


レオンの名前を聞いてピクッと男の動きが止まる。


そこへアメリアが背後から男の心臓に杭を打ち込もうとした。


その気配に男は素早く振り向きアメリアの腕を掴む。


アメリアの杭を手にしていた腕を捕まれてギリギリと締め付けられていく。


あと少しの力で、アメリアの腕が砕かれる……。