あのヴァンパイアの男が立っていた。


「隠れても無駄だ。お前の香しい血の匂いはおいそれと消せやしない」


舌なめずりをして近づいてくる。


アメリアが飛び蹴りを入れようと足を振り上げた。


だが、男は腕を一振りで、アメリアは床の上に飛ばされる。


「アメリアっ!」


ティナは金切り声を上げた。


「ふん、弱いな」


男はティナの方にゆっくりと近づいてくる。


「い、いや」


逃げようにも足が動かない。