「どうして?どうして?」


同じ言葉を呟くシェリルは頭をまだ抱えていた。


あの男を見てから、頭が割れそうに痛んでいた。


あまりの痛みにシェリルの顔が歪む。


「シェリル様!?」


様子のおかしいシェリルにアメリアは当惑した。


「とにかくシェリル様を奥へ連れて行かなければ!ダーモッド!ここは使い魔に任せ行くぞ!」


アメリアはシェリルを抱き上げるとキッチンを離れた。


敵はあの男ひとり、ならばレオン様の使い魔が倒すだろう。


アメリアはそう思った。


念の為、シェリルを城への入り口の扉がある地下室へ連れて行く。


万が一の時はこの部屋に連れてくるよう主に言われている。


薄暗い地下室に入ると、シェリルを隅に置かれているソファに座らせた。


シェリルは両手を自分の身体に回し、ガタガタと震わせていた。