「あたしは……記憶が戻らなくてもいい……」


記憶が戻った時、この生活が壊れてしまいそうで怖い。


人を愛するということはどういうことなのかわからないけど、レオン様に抱くこの気持ちを大事にしたい。


「君は何も考えずに私の傍にいればいい」


強引な言い方だが、今のシェリルにはありがたく嬉しい言葉だった。


「はい」


シェリルはこれ以上無い笑顔をレオンに向けた。