「髪が雪でびっしょりだ」


シェリルの髪を一房手にして唇へ持っていく。


「レ、レオンも濡れてしまいました」


「様」は取れたのにその後が敬語を使うシェリルにレオンは顔をしかめた。


まあ、そのうちになくなるだろう……。


ふたりは室内へ戻った。



『アメリア。シェリルを湯殿へ』



アメリアがすぐにふたりの前に姿を現した。


その顔に珍しく笑みが浮かんでいた。