「記憶が無いのか……」


レオンが肩肘を突いて身体を半分起こした。


「記憶?」


何を言っているの?


シェリルが不思議そうな顔をした。


レオンが記憶を消すまでも無く、シェリルを操った誰かが記憶を操作したのだろう。


そして傷口も、レオンにより跡形もなくきれいに治っていた。


「なんでもない。まだ真夜中だ。もう一度眠りなさい」


レオンの言う通り、シェリルは目を閉じた。


シェリルが目を閉じるのを確認したレオンは、ベッドサイドの灯りを消した。