彼らの前には琥珀色の液体が入ったグラスが置かれ、シェリルには甘いココアが用意されていた。


エミリオはグラスを持ち口に運ぶ。


レオンと話して喉が渇いたようだ。


だが、実際は話をしたから喉が渇いたのではなく、シェリルの放つかぐわしい香りに渇望したのだ。


レオンが彼女を食べるのは時間の問題かもな。


そう思った時、エミリオが手にしていたグラスが手の中でパリンと割れた。


シェリルが目を丸くして驚いている。


エミリオが力を入れて割った訳ではない。


エミリオの考えたことを読み取ったレオンが不快に思い警告したのだ。


まったく……考えることぐらい自由にさせてくれ。


エミリオは深いため息を吐いた。