「シェリル、君が無事でよかった」


レオンの言葉に驚いているともっと驚くことが起きた。


レオンにぎゅっと抱きしめられたからだ。


「レ、レオン様?」


シェリルは首筋に吐息を感じた。


得体のしれない気持ちが心の底から湧きあがる。


「動かないでくれ」


そう言われてしまいシェリルはしばらくじっとしていた。


どうして抱きしめるのですか?


「まだ早い、もう少し寝ていなさい」


レオンはシェリルから離れ、身体を起こすと部屋を出た。


なぜ抱きしめられたのかわからない。


自分は普通の女性と違うから。


歩くことも出来ない身体……。


シェリルは当惑した表情のままレオンが出て行った扉を見ていた。