「この前、タケルに聞いたんだ…」

「うんうん…」

『ねぇタケル?…わたしのこと好き?』
『好きに決まってるだろ』
『みきは?』
『も、もちろん好きだよ』

その時は、よかった!って思った、そのあと、タケルが急に『うちに来いよ』って言うから
、彼の部屋に初めて入ったの…

「そうしたら…」

みきぴょんはそのあと下を向いてしまい、口を噤んでしまった。

「いいよ、無理に言わなくても…」

恵美がそう言いながら、吉高さんの肩にそっと手を乗せた。

「ははは、大丈夫だよ…なんかさぁ、失敗しちゃったんだよねー…」

作り笑顔で恵美のほうを見ながら、吉高さんはまたはなし始めた。

「…彼の部屋に入った途端に、タケルが…わたしを抱きしめたの…」

『タケル!?…』

「突然だったから、そのまま、タケルに身をまかせて…」

「……」

聞いていたみんなは、言葉もでないまま、その場に緊張感が走る。

「それだけなら…よかったけど…」

「え!?…まだ!?…」

朱音は、何故か私の手を握りながら、ちょっと興奮ぎみになっていた。

「少しすると、彼の腕の力が優しくなって…彼が…『俺…みきが好きだ、たから…』『タケル?』…タケルの目が見えたとき、彼の顔がだんだんわたしに近くなってきたの…」

「えー!…それって…」

吉高さんは小さくうなづき、言葉をためた後に

「…わたし、その時、目をつむって反いてしまって…『ヤダッ…』って言ってしまって、彼の気持ちを拒否してしまったんだ…」