茉優は泣いていた。


気がつくと俺は、茉優を抱きしめていた。

俺らしくなかった。

傷ついた人を助けたいと思ったのなんて初めてかもしれなかった。

茉優もだいぶ落ち着いてきた。

体を離す。

というより、茉優が飛び離れて真っ赤になった。


「ご、ごめんなさい、、ありがとう、、、」


「茉優さん、いい匂いするね?」


「嗅がないでよ!」


茉優は笑って言った。


「元カレなんか、忘れさせてやるよ」


「え?」


おでこに軽くキスをした。