「っ……」

和海は浮気をした。

分かっていたことだ。

それなのにどうしてこんなに。

「おい、水沢?!」

宮沢君が慌てている声も遠くに聞こえる。

「過呼吸になってるから、深呼吸しろ」

どうすればいいの?

私はどうすればっ?

ねえ?!

___暖かいものに包まれた。

「水沢、もういいから泣け」

「どうしてっ?!」

「もういいから」

「和海がっ!」

「水沢っ!無理するなっ!壊れるぞっ!」

「ゔっ」

強く背中を叩かれた。

「いいから、泣け!」

「うっうっ」

背中を叩かれた痛みが、涙を出させた。