「恋咲ちゃん、俺と行くよね?」


「恋咲、お兄ちゃんと行くよな?」


「えっと、それは」


お兄ちゃんは私の手を引っ張る。


碧は、ただ私のことを見つめる。


もう、どっちも選べないって。


「私!ひとりで行くから!」


私はお兄ちゃんの手を振り払って走って家を出た。


「あ、追いかけて来ないでよね!」


私は全速力で走った。


「廉くんが来たせいで恋咲ちゃんと行けなくなったんですからね」


「心ちっせーなお前」


廉は碧のことを睨みつけると、
去っていった。


「あ、恋咲ちゃんお弁当忘れて行っちゃった。届けないとだな」