「あ、会長。一緒に帰りましょ!待ってるから!」

「はぁ?」

加藤くんと会長が同じ言葉を発した。

「ほらほら、はやく帰る準備して!」

「あ、うん」

会長は返事をすると、バックを取りに行ってしまった。

「恋咲ちゃん、帰ったら俺の部屋来てくれない?」

「え、なんで?」

「ロミジュリのこと、話したいから」

「リビングじゃだめなの?」

「みんなうるさいから。2人で考えたいし、ダメじゃないっしょ?」

「まぁ、うん、いいよ」

私は返事を返す。なんで加藤くんの部屋に行くのかは皆無だ。だけど、お兄ちゃんが入ってきそうな気がするな。

「待たせた」

会長が走ってきた。バックをオーソドックスに持って。ちなみに加藤くんはバックをリュックみたいに背負っている。

「大丈夫!」

私を真ん中にして、横に3人並んだ。

「会長は、なにになったんですか?演劇祭……」

「白雪姫をやることになったよ」

「へぇ、白雪姫!いいね!」

「そう?子供っぽくね?」

加藤くんがなにかイライラしながら喋る。

「お前の性格の方が子供っぽいぜ」

会長がやり返す。

「ちょ、本っ当にそういうのやめてよ。なんか雰囲気悪くなるし」

「あ、すまね」

会長が咄嗟に謝る。

「帰ったら夕飯出来てるかな?」

「じゃない?腹黒も張り切ってたし…」

加藤くんが言う。

「そっか、奏も張り切ってたか。今夜はなんだろうね」

会長が上を向きながら話す。

「なんでしょうね」

「ただいま」

加藤くんが家に入る。私達はそれに続いた。

「ただーいま!」