え、待って私?!恋咲って私しかいないもんね。でもまじで言ってんのか?

「俺、新塚恋咲としかやらない」

言い直した!!この名前私しかいないもん!確定しちゃったよ!
あのね、このクラスはカースト制度みたいのがあって、その頂点に達しているのが加藤くんなんだよ!
その人がこの人がいいって言うとそれが最優先されんだよこれ!

「いや、莉央ちゃんとやりなよ」

思考回路が追いついていかない。なんで加藤くんは私を選んだのだろう。私より美人なんて何十人もいるのに。

「やだ。俺、恋咲ちゃんとやりたいもん」

私は今まで特に目立った行動もとらず、波に乗ってきた人間だ。
だからこんなこと一度もなかった。だからなのか、なぜか少し……嬉しかった。

「で、でも莉央ちゃんがやった方が見栄えいいと思」

「だから俺、恋咲ちゃんとしかやらない。莉央より恋咲ちゃんがいいの」

加藤くんが私の言葉を遮って話し出す。

「……いいよ、やったげる」