「僕さ、タコさんウインナー頑張ったんだよ?」

お昼休みが終わり、みんなとも別れた。私と碧は教室が隣だから一緒に教室まで帰る。

「そっか。お疲れ様!」

「ふふっ、ありがとぉ。明日はなににしようかな!」

なぜか張り切っている碧。やはり男子ながらに可愛い。

「でも会長が言ってなかったっけ、なんか当番を毎日変えるって」

「あ、そっか。でも恋咲に当番は任せられないよね。でも明日は月也さんだから大丈夫だね」

「うん!奏ちゃんってクッキング部の部長さんだもんね!」

「そうそう」

「ねぇ君達、なんで置いていったの……」

後ろからドヨンとした声がきこえた。

「恋咲、なんかついてんじゃない?払った方がいいよ」

碧がそれを無視するかのように私に言う。

「か、加藤くん……ごめんね!」

「恋咲ちゃんはいいんだ!碧くん、俺のことおばけみたいな扱いしないでくれる?」

あれ、なんか空気がピリついてきたぞ。

「してないしてない、健勘違いしないでよ」

そう言って溜息をつく碧。

「ふざけんじゃねぇぞ病弱……!」

かなりイライラした様子の加藤くん。加藤くんはかなり短気らしい。

「それこっちのセリフだ女たらし」

碧もかなりイラついてるらしい。碧がこんなこと言うなんて稀だし。私が止めないとやばいね、こりゃ。

「ほ、ほら!二人ともやめな!もうすぐ授業始まるよ!」

「あ、うん」

碧がはっとした表情をして俯く。

「すまね、ちょっとイラついたもんで」

加藤くんも正気に戻ったようだ。

「戻ろ。碧、またね!」

「うん」

碧はとぼとぼ教室へ入っていった。

「あ、次ホームルームか」

「そうだよ!演劇祭でなにやるか決めるんだよ!それも六時間目まで」

「お!それならサボんなくていっか。ロメオとかがいいな!」

「王道ね、私もそういう恋愛系かな!」

少し話して私達は席に戻った。