いつの間にか長い校長の話もおわり、着任
式へ移っていた。
ぞろぞろと出てくる顔の知らない先生たち
を教頭が紹介していく。
「 最後は、大阪のほうの高校から移動して
きた大田智也先生です。彼は数学を担当し
てもらいます。」
大田智也___オオタトモヤ 先生はそう紹介されると
すっと立ち 「 よろしくお願いします 」と
一言言いまた席に着いた。
やっぱり大阪の方から来たからイントネー
ションが違う。
顔は塩顔でいかにも優しそうな雰囲気を
出していた。
この時は大田先生のことは関西弁を喋る
先生だなっという認識しかなかった。
これからどんどん存在が大きくなっていく
なんて思ってもみなかった。