結局友達が出来ずに昼休みが来た。

人生初のぼっちめしとかいうやつだよね。今まで給食で班とか作ってたし。

しかも昨日の夜、友達の作り方考えてて夜更かししたせいで弁当作り損ねたし今日は学食食べに行こっ…。




げっ……七瀬くんだ

やっぱりたくさんの女の子に囲まれてる…。

っていうかそれが邪魔で通れないじゃん…もう何から何までついてない。

『ちょっとどいてもらえませんか?』

あぁぁ怖い。

「はぁ?七瀬くんから遠ざけっていうの?嫌にきまってんだろ」

もういやだ、さっきまでの七瀬くんに向けてた甘くて高い声はどこに行ったの?

『あの、私はただ学食が買いたいだけで…』

「何してんの?」

「きゃっ七瀬くぅん!」

えっえっいつの間にこっちに来てたの?!え、え、苦手な人が近くにいるなんてもう嫌だってば……。

『あの、あーえっと…やっぱりもういいです。売店に変えますので』

「ねぇ一緒にご飯食べよぅよぉ七瀬くぅん」

「ごめん俺この子に話しかけてるから」

「ねぇってばあ」

いまさら売店に行ったってなんにも残ってないだろうなあ。最悪。

ってことは昼ご飯抜き?笑わせないでよ。

「困ってる子がいたから助けてあげたいんだよ…ごめんね、俺のせいで通れないんだよね」

『あ、まあ、はい』

ぜったい私以外にもこの七瀬くんのせいで迷惑してる人たくさんいると思うんだよね。たわむれるのやめてくれないかな?なんて強気なこと言えないもんなあ。