ひとたび俺がクラスに入ると、そこは戦場
になる。
(あー、自己紹介が遅れた、俺の名前は
古屋道徳、友達には優しくしているが、
心の中では相当な悪党だ。)
ひとまず、クラスの女子が来る前に、教室から
出よう。

「ねぇ、道徳君!」

その時俺に声をかけたのは、中学1年の時から
俺の事を恋愛ターゲットにしていた。
木原みさとだ。

「ん?何、みさと」

(まぁ、一応優しく声はかけといてやるか)
そう俺は溜め息を吐くように、心の中で思った。
「あ、あのね道徳君、もし良かったら今日
私とデ、デートしない?」

(はぁ、どいつもこいつも好き勝手な事言いやが
る。)

「あー、ごめん、今日は予定が入ってて」

「あ、そうなんだ、私も道徳君が忙しい事
知らなくて、こんな事言ってごめん」

(バーカ、お前みたいな奴の相手何かするのが
嫌だから言ってるんだよ)