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それから3日。


設楽さんは一度も家から出なかった。


その間、ずっと私のことを気にかけてくれていた。


「おはよう、悠瞳」


「…おはよう……」


朝の挨拶くらいなら、設楽さんの目を見て言えるようになったんだ。


少しは…マシになったのかな……。


「一応家の前から外見張ったりしてたけど、変なヤツはいなかったし、あの教師、諦めたのかもな」 


慣れたら手つきで卵を割り、かき混ぜる設楽さん。


毎朝卵焼きだ。


卵焼きしかレパートリーがないのかもしれない。


「卵焼き、嫌?」


私がジッと設楽さんの手元を見てたからか、そう聞かれた。