「…波瑠、どこにいるの」


ふと、そんなことを呟いていた


大好きな人が突然いなくなる寂しさ、
そんな気持ちを押さえて目をつぶった。



「今、ハルって言った?」



…?


男の人の声がしたから、
咄嗟に目を開く



そこにいたのは、いかにも
『イケメン』『モテそう』『モデルみたい』の言葉が似合う男の子が立っていた



「言いましたけど、」



「ハルのこと探してんの?」





どうして知ってるの


なんで?


私は戸惑いと疑問で言葉が出なかった




「ハルならそこにいんじゃん」



「…え?」



なにを言っているんだろう、
そう思いながら男の子が指さしてる、私の後ろをみた



「猫?」



猫がいた。


真っ白で、目は青かった
すごい綺麗だった


確か学校に棲み着いてる猫がいるって
聞いてたけど、ハルっていう名前だったんだ



「私が探してるの、この子じゃないです」


「なんだ、違うの」



気まずい

気まずすぎる


そもそも男子と喋ったのなんて
半年振りくらい。