…そして、現在。10年後。
私は今、看護師として働いている。
いつ、幸史が戻ってきてもいいように、まだ独身。

幸史が戻ってきた時怪我をしていたら治してあげるために、医療関係を目指して猛勉強したんだよ。

ピッ…ピッ…ピッ…(心電図の音)
幸花「異常ありません。何かありましたらナースコールでお呼びください♪」

患者の家族「ありがとうございます…泣」

ナースステーション
幸花「お疲れ様でした。お先に失礼します。」

看護師「お疲れ様です〜」


ウィーン(玄関の自動ドア)
幸花「よし、今日も頑張っ…」(立ち止まる)

―そこには、立派なスーツを着た男が立っていた。

幸花「…え…まさか…」

「久しぶり。」

「幸花」

幸花「…あ……」(涙)


────幸史だった。
10年ぶりの再開。

幸花「…幸史…?…ほんとに…?」(涙)

幸史「ふっ。そうだよ。幸史だよ」

幸史「幸せに史って書いて、幸史。」

幸花「…ばか」(涙)
(抱きつく)
幸史「…幸花…」

幸花「…心配したんだから…」

幸史「…ごめんな。」

幸史「どうしても、立派な姿になってから結婚してもらいに行きたかったんだ」

幸花「…え?」(涙)

幸史「…改めて」

幸花「…えっ、ちょっとここはやめてよ…病院の玄関だよ?」

幸史「…幸花。」(跪く)

幸史「長い間心配させて、沢山傷つけてごめん。」

幸花「幸史…」

幸史「…今誰かと結婚してる?」

幸花「…してないよ。待ってた。…幸史を」

幸史「…そっか。ありがとな。」

幸史「お前はお前で辛かっただろ。」

幸花「…正直辛かったよ。でも…幸史の為なら待てたの。」

幸史「…もうこれ以上。お前に…いや。幸花に辛い思いさせたりしない。絶対不安にさせない。」

幸史「幸花。お前があの時こうやってプロポーズされて、あの時は若かったし、驚いたんだよな。きっと。」

幸史「…それを分かってやるべきだった。」

幸花「…ううん。私が悪いんだよ。勇気出してプロポーズしてくれたのに…踏みにじるような事言ってごめんなさい…」

幸史「…それをお互いにチャラにする為にも…」

幸史「…俺らもう一度やり直そう、」

幸史「…そして…」



幸史「…結婚して下さい!!」



幸花「…っ…うっ…っ…」(涙)

幸史「…幸花」

幸花「…」

幸花「…ありがとう。幸史。」


幸花「こちらこそ、幸せにして下さい。」

幸史「…幸花…!」

幸花・幸史「…♪」
(お互い笑顔で向き合って、2人で仲直りのキスをする)

────こうして私達は、運命の再開をした。
幸史は…幸せを運んできてくれた。
生きててくれた。仲直りさせてくれた。

とっても…幸せです。

2ヶ月後、私は入籍と同時に妊娠が発覚した。
お互いの親にも挨拶に行き、許しをもらって結婚式を挙げた。

幸史は…会社の営業部の部長になって、私を迎えに来てくれた。

ありがとう…仲村幸史くん。

────END────