幸史「…あっ、幸花!学校行くぞ!」
タッタッタッ…
幸花「おはよ♪」
幸史「おはよ♪♪行こっ、自転車、後ろ乗れよ」
幸花「えっ?いや、落ちるじゃん」
幸史「落ちねえよ笑お前ほど運転下手じゃねぇし。」
幸花「ふふっ。ありがと。」
(通学中)
幸史「…なぁ、幸花…」
幸花「…何ー?聞こえない!」
幸史「いや、後でいい」
幸花「…?」
(途中の公園で)
キーッ
幸花「…ん?ここ…学校じゃないよ?」
幸史「幸花。ちょっと来て」
(手を取って公園の中へ)
幸花「えっ?ちょっと!」
(止まって跪いて幸花の手を両手で握る)
幸花「…幸史?」
幸史「…幸花。」
幸史「こ、、高校卒業したら、俺…就職する事にした。だから、幸花と一緒の大学は…行かない。」
幸花「…え…?どうして…今まで一緒に…一緒に勉強してきたじゃない…」
幸花「…やだよ…約束破るなんて…」
幸花「…最低。」
スタスタ…
幸史「おい幸花、」
(幸花は無視して歩く)
幸史「幸花!待てって!」
幸花「…」(止まる)
幸史「俺…色々考えたんだ…」
幸史「俺だってお前と同じ大学行きてえよ…!」
幸史「去年からずっと一緒に勉強してきて…大学行ってもずっと一緒に居て…俺の理想だった」
幸史「でも…もしこの事を先延ばしにして…他の男にお前を取られたら…」
幸史「嫌なんだよ!!お前が、俺以外の奴を見るのが…」
(幸花が振り返る)
幸花「…この事?先延ばし?他の男?」
幸花「何が言いたいの…?」
幸史「結婚してくれって言ってんだよ!!」
幸花「…え?」
幸史「高校卒業したら…幸花、俺と結婚してくれ!」
幸花「…」
幸花「随分勝手なんだね」
幸史「…は…?」
幸花「私は…幸史の言った通り、去年から一緒に勉強してきた…」
幸花「勉強嫌いだったけど、幸史が居たから…幸史が好きだから…大好きだから頑張れたんだよ…?」
(涙しながら話す)
幸花「それなのに…幸史が言ったんだよ?!一緒の大学に行こうって!私も幸史と同じとこに行きたいって!…親に反対されてたの…忘れたの?」
幸史「幸花…」
―私の家は老舗の和菓子屋で、代々女が後を継ぐ事になっていた。
でも、ここ最近は売上が落ち、人手も足りなくなっていたから、大学なんて行ってる余裕なんてなかった。
だから、高校を卒業して大学に行くなんてことは許されなかった。
必死に親に頼み込んで、やっとのことで許してもらったからこそ、幸史の決断は受け入れられなかった。
キーンコーンカーンコーン
幸花「…」(お弁当を持って席を立つ)
幸花「…ねぇ。」
麻里加「うん?幸花どうした?」
幸花「…ちょっと相談が…」
スタスタ…(優里が来る)
優里「…?幸花どうしたの?今日は一緒にお昼食べないの?」
麻里加「相談があるって。ここじゃ言えない話?」
幸花「…」(幸史の方を見る)
幸花「…うん。」
幸史「…」(見られている事に気づいて幸花を見る)
優里「…幸史となんかあった?そういえば最近一緒にいないけど…」
幸花「…」
麻里加「…まだ喧嘩してんだ?(((コソッ))」
幸花「…まあ…そんなとこ…((コソッ))」
優里「喧嘩?え、全然知らなかったんだけど」
幸花「ごめん…何でも相談するって約束だったのに…こんな事で迷惑かけたくなくて」
麻里加「…ばーか。あんたの相談誰が迷惑って言ったよ笑」
優里「そうだよ、何でも話しな?ね?」
幸花「うん…ありがとう。」
(放課後)
屋上
麻里加「なるほどね…。」
幸花「うん…思い出すと…、まだ許せないけど…」
幸花「幸史の気持ちも考えずに、ムキになった私も…悪いと思ってるのに、もう1週間も口聞いてない。」
麻里加「それはまずいね…」
幸花「はぁ…どうすればいいの…」
幸花「…って優里は?」
麻里加「優里は部活。私と違ってバスケ上手くて、後輩から頼りにされててね。引退したのに、先輩教えて下さいーって笑」
幸花「そうなんだ…」
麻里加「で?幸花はどうしたいの?」
幸花「…ん…わかんない…」
幸花「正直どうすればいいのか…んんん…!!」(髪をくしゃくしゃ)
ガチャ
麻里加「あっ」
幸花「あ…」
幸史「…あ」
幸史「…おっす」
麻里加「…お疲れ」
幸史「…ちょ、ちょっと休憩しに来ただけだから…すぐ帰る」
(少し遠い場所に移動する幸史)
麻里加「幸花。」
(幸花の隣に座る)
麻里加「幸花が、いきなりあんな事言われて驚いて、今までの苦労を考えて腹が立っちゃう気持ちも分かる。」
麻里加「でもね?幸史も幸史で、勉強ができない幸花の為に、楽をさせてあげる為に早く結婚して働く事考えたんだと思うよ。」
幸花「…でも」
麻里加「…」ニコッ
麻里加「…早く幸せにしたいんだよ。幸花の事♪」
幸花「…幸せ…?」
麻里加「今まで、幸史が一度でも幸花に辛い思いさせた事あった?」
幸花「…え?」
麻里加「1年の時、香奈が幸花になりすまして、私と優里騙されて一緒に幸花の事虐めてたじゃん?」
麻里加「その時守ってくれたでしょ。幸史。」
幸花「…うん」
麻里加「そん時から、幸史は幸花の事。幸せにしてくれるなって思ってたよ?」
幸花「…そう…かな」
幸花「…今更…謝ったって…許してもらえないよ」
幸花「だって私、勝手だって言っちゃったんだよ?」
幸花「相当…怒ってるよ…」
麻里加「…それは。今から確かめるんだよ。」
幸花「えっ?」
麻里加「幸史ー?」
幸花「えっ?!ちょっと!!」
幸史「…何?」
麻里加「幸花が話あるって。」
幸花「…」チラッ(幸史の方を見る)
幸史「…いいよ」
麻里加「よし。あ、優里のとこ行ってくるね!幸花、先帰ってていいよね?」
幸花「…えっ?…うん。」
麻里加「うん、じゃあね!また明日!幸史も!」
幸史「…おう」
幸花「…また明日ね」
キィ…ガチャン(ドアが閉まる)
幸史「…」
幸花「…」
幸史「…これ…飲むか」
(ジュースを差し出す)
幸花「…うん…ありがと。」
(イスに2人座る)
幸花・幸史「…あのさ」
幸花「…先…どうぞ」
幸史「…お前が言えよ」
幸花「…うん」
幸花「…」
(サッと立つ)
幸花「…あのっ、」
幸史「…」(ジッと幸花を見る)
幸花「…先週の…あれ」
幸花「…ごめんなさい」
幸花「…プロポーズ、…ほんとは嬉しかった」
幸史「…」
幸花「…幸…史?」
幸史「…随分勝手…か。」
幸花「…」
幸史「そうだよな。ほんと勝手だった。」(立ちながら話す)
幸花「…幸史…」
幸史「…」
(幸花の方を振り返る)
幸史「…俺の方こそごめんな。」
幸花「…ううん。私…幸史の気持ち考えずに、…言い過ぎたよ。」
幸花「幸史…ほんとにもう怒ってないの?」
幸史「…」
幸花「…幸史?」
幸史「…怒ってるに決まってんだろ」
幸花「…え…」
幸史「お前がどんな気持ちで大学行くって決めたかなんて、俺が1番知ってるよ。知った上で、大学行かずに就職して、お前がしたい事何でもさせてやりてえって思った。」
幸花「…そう…だったの?」
幸史「…ああ。でも結局お前を苦しめんなら…意味ねぇんだよ」
スタスタ…
幸花「…幸史!!」
キィ…ガチャン
幸花「…幸史…」ガサッ(その場に泣き崩れる)
(その頃階段では…)
スタスタ…
幸史「…わっ…何してんだよ」
麻里加「…ちょっときて」
グイッ
幸史「え?!おい!!」
(教室)
幸史「何っだよ!」
優里「あんたさ。幸花がどんな気持ちでこの1週間過ごしてたか分かんないの?」
幸史「…知らねぇよ。恨んでたんだろ。俺の事。」
麻里加「…なわけないでしょ?!いつもいつも明るい顔して可愛い幸花が、この一週間一切笑わなくなっちゃったんだよ?」
幸史「…俺…プロポーズ断られて…更にあんな事まで言われて…腹が立って…」
幸史「俺だって勇気振り絞ったのにあんな事言われちゃ、誰だって同じ事思うだろ」
麻里加「…はぁ…」
麻里加「優里。幸花の事お願い。」
優里「…ふぅ。りょーかい。」
スタスタ…
(屋上)
幸花「…うっ…っ」(涙)
キィ…ガチャン
優里「…幸花?」
幸花「…優里…あっ」
(涙を急いで拭く)
幸花「ど、どうしたの?部活はもういいの?」
優里「…無理して笑うな。」
幸花「…え?」
優里「ふふ。無理して笑っても、幸花らしくないよ?」
幸花「…無理にじゃないよ…」
幸花「…でも…笑ってないと…涙出るから…」(涙)
幸花「…っ…」(涙)
優里「幸花…」
(幸花を抱き締める)
幸花「…っ…うっ…」
(声を出して泣く幸花)
10分後…
ガチャ…
麻里加「…優里。ありがとね。」
優里「ううん。幸史は?」
麻里加「…ごめん。説得はできなかった。でも、どっちにしても、メールぐらい一通してあげてって言った。」
優里「なんか言ってた?」
麻里加「話す事ないけど、俺も悪かったし…せめて謝るぐらいしねぇとな。だってさ。」
麻里加「で。幸花は何で寝てんの。」
優里「ふふ。泣き疲れたみたい。笑」
麻里加「もう…笑」
麻里加「あっ、そうそう。3人で明後日の日曜ショッピングでも行かない?笑幸花の気晴らしにさ。」
優里「いいね!行こ行こ!楽しみ〜」
麻里加「目的はあんたじゃないよ?笑」
優里「いいじゃん〜私達も楽しもうよ♪私達が楽しくなきゃ幸花も気晴らしになんないでしょ笑」
麻里加「そうだね♪」
―でも…次の日にメールが来るはずの幸史から、メールが来る事はなく、幸史もいなくなった。
家族には、家出する。という書き置きだけで、どこに行ったのかも全くわからない。
私達は探した。夜になっても探した。
けど見つからない。
タッタッタッ…
幸花「おはよ♪」
幸史「おはよ♪♪行こっ、自転車、後ろ乗れよ」
幸花「えっ?いや、落ちるじゃん」
幸史「落ちねえよ笑お前ほど運転下手じゃねぇし。」
幸花「ふふっ。ありがと。」
(通学中)
幸史「…なぁ、幸花…」
幸花「…何ー?聞こえない!」
幸史「いや、後でいい」
幸花「…?」
(途中の公園で)
キーッ
幸花「…ん?ここ…学校じゃないよ?」
幸史「幸花。ちょっと来て」
(手を取って公園の中へ)
幸花「えっ?ちょっと!」
(止まって跪いて幸花の手を両手で握る)
幸花「…幸史?」
幸史「…幸花。」
幸史「こ、、高校卒業したら、俺…就職する事にした。だから、幸花と一緒の大学は…行かない。」
幸花「…え…?どうして…今まで一緒に…一緒に勉強してきたじゃない…」
幸花「…やだよ…約束破るなんて…」
幸花「…最低。」
スタスタ…
幸史「おい幸花、」
(幸花は無視して歩く)
幸史「幸花!待てって!」
幸花「…」(止まる)
幸史「俺…色々考えたんだ…」
幸史「俺だってお前と同じ大学行きてえよ…!」
幸史「去年からずっと一緒に勉強してきて…大学行ってもずっと一緒に居て…俺の理想だった」
幸史「でも…もしこの事を先延ばしにして…他の男にお前を取られたら…」
幸史「嫌なんだよ!!お前が、俺以外の奴を見るのが…」
(幸花が振り返る)
幸花「…この事?先延ばし?他の男?」
幸花「何が言いたいの…?」
幸史「結婚してくれって言ってんだよ!!」
幸花「…え?」
幸史「高校卒業したら…幸花、俺と結婚してくれ!」
幸花「…」
幸花「随分勝手なんだね」
幸史「…は…?」
幸花「私は…幸史の言った通り、去年から一緒に勉強してきた…」
幸花「勉強嫌いだったけど、幸史が居たから…幸史が好きだから…大好きだから頑張れたんだよ…?」
(涙しながら話す)
幸花「それなのに…幸史が言ったんだよ?!一緒の大学に行こうって!私も幸史と同じとこに行きたいって!…親に反対されてたの…忘れたの?」
幸史「幸花…」
―私の家は老舗の和菓子屋で、代々女が後を継ぐ事になっていた。
でも、ここ最近は売上が落ち、人手も足りなくなっていたから、大学なんて行ってる余裕なんてなかった。
だから、高校を卒業して大学に行くなんてことは許されなかった。
必死に親に頼み込んで、やっとのことで許してもらったからこそ、幸史の決断は受け入れられなかった。
キーンコーンカーンコーン
幸花「…」(お弁当を持って席を立つ)
幸花「…ねぇ。」
麻里加「うん?幸花どうした?」
幸花「…ちょっと相談が…」
スタスタ…(優里が来る)
優里「…?幸花どうしたの?今日は一緒にお昼食べないの?」
麻里加「相談があるって。ここじゃ言えない話?」
幸花「…」(幸史の方を見る)
幸花「…うん。」
幸史「…」(見られている事に気づいて幸花を見る)
優里「…幸史となんかあった?そういえば最近一緒にいないけど…」
幸花「…」
麻里加「…まだ喧嘩してんだ?(((コソッ))」
幸花「…まあ…そんなとこ…((コソッ))」
優里「喧嘩?え、全然知らなかったんだけど」
幸花「ごめん…何でも相談するって約束だったのに…こんな事で迷惑かけたくなくて」
麻里加「…ばーか。あんたの相談誰が迷惑って言ったよ笑」
優里「そうだよ、何でも話しな?ね?」
幸花「うん…ありがとう。」
(放課後)
屋上
麻里加「なるほどね…。」
幸花「うん…思い出すと…、まだ許せないけど…」
幸花「幸史の気持ちも考えずに、ムキになった私も…悪いと思ってるのに、もう1週間も口聞いてない。」
麻里加「それはまずいね…」
幸花「はぁ…どうすればいいの…」
幸花「…って優里は?」
麻里加「優里は部活。私と違ってバスケ上手くて、後輩から頼りにされててね。引退したのに、先輩教えて下さいーって笑」
幸花「そうなんだ…」
麻里加「で?幸花はどうしたいの?」
幸花「…ん…わかんない…」
幸花「正直どうすればいいのか…んんん…!!」(髪をくしゃくしゃ)
ガチャ
麻里加「あっ」
幸花「あ…」
幸史「…あ」
幸史「…おっす」
麻里加「…お疲れ」
幸史「…ちょ、ちょっと休憩しに来ただけだから…すぐ帰る」
(少し遠い場所に移動する幸史)
麻里加「幸花。」
(幸花の隣に座る)
麻里加「幸花が、いきなりあんな事言われて驚いて、今までの苦労を考えて腹が立っちゃう気持ちも分かる。」
麻里加「でもね?幸史も幸史で、勉強ができない幸花の為に、楽をさせてあげる為に早く結婚して働く事考えたんだと思うよ。」
幸花「…でも」
麻里加「…」ニコッ
麻里加「…早く幸せにしたいんだよ。幸花の事♪」
幸花「…幸せ…?」
麻里加「今まで、幸史が一度でも幸花に辛い思いさせた事あった?」
幸花「…え?」
麻里加「1年の時、香奈が幸花になりすまして、私と優里騙されて一緒に幸花の事虐めてたじゃん?」
麻里加「その時守ってくれたでしょ。幸史。」
幸花「…うん」
麻里加「そん時から、幸史は幸花の事。幸せにしてくれるなって思ってたよ?」
幸花「…そう…かな」
幸花「…今更…謝ったって…許してもらえないよ」
幸花「だって私、勝手だって言っちゃったんだよ?」
幸花「相当…怒ってるよ…」
麻里加「…それは。今から確かめるんだよ。」
幸花「えっ?」
麻里加「幸史ー?」
幸花「えっ?!ちょっと!!」
幸史「…何?」
麻里加「幸花が話あるって。」
幸花「…」チラッ(幸史の方を見る)
幸史「…いいよ」
麻里加「よし。あ、優里のとこ行ってくるね!幸花、先帰ってていいよね?」
幸花「…えっ?…うん。」
麻里加「うん、じゃあね!また明日!幸史も!」
幸史「…おう」
幸花「…また明日ね」
キィ…ガチャン(ドアが閉まる)
幸史「…」
幸花「…」
幸史「…これ…飲むか」
(ジュースを差し出す)
幸花「…うん…ありがと。」
(イスに2人座る)
幸花・幸史「…あのさ」
幸花「…先…どうぞ」
幸史「…お前が言えよ」
幸花「…うん」
幸花「…」
(サッと立つ)
幸花「…あのっ、」
幸史「…」(ジッと幸花を見る)
幸花「…先週の…あれ」
幸花「…ごめんなさい」
幸花「…プロポーズ、…ほんとは嬉しかった」
幸史「…」
幸花「…幸…史?」
幸史「…随分勝手…か。」
幸花「…」
幸史「そうだよな。ほんと勝手だった。」(立ちながら話す)
幸花「…幸史…」
幸史「…」
(幸花の方を振り返る)
幸史「…俺の方こそごめんな。」
幸花「…ううん。私…幸史の気持ち考えずに、…言い過ぎたよ。」
幸花「幸史…ほんとにもう怒ってないの?」
幸史「…」
幸花「…幸史?」
幸史「…怒ってるに決まってんだろ」
幸花「…え…」
幸史「お前がどんな気持ちで大学行くって決めたかなんて、俺が1番知ってるよ。知った上で、大学行かずに就職して、お前がしたい事何でもさせてやりてえって思った。」
幸花「…そう…だったの?」
幸史「…ああ。でも結局お前を苦しめんなら…意味ねぇんだよ」
スタスタ…
幸花「…幸史!!」
キィ…ガチャン
幸花「…幸史…」ガサッ(その場に泣き崩れる)
(その頃階段では…)
スタスタ…
幸史「…わっ…何してんだよ」
麻里加「…ちょっときて」
グイッ
幸史「え?!おい!!」
(教室)
幸史「何っだよ!」
優里「あんたさ。幸花がどんな気持ちでこの1週間過ごしてたか分かんないの?」
幸史「…知らねぇよ。恨んでたんだろ。俺の事。」
麻里加「…なわけないでしょ?!いつもいつも明るい顔して可愛い幸花が、この一週間一切笑わなくなっちゃったんだよ?」
幸史「…俺…プロポーズ断られて…更にあんな事まで言われて…腹が立って…」
幸史「俺だって勇気振り絞ったのにあんな事言われちゃ、誰だって同じ事思うだろ」
麻里加「…はぁ…」
麻里加「優里。幸花の事お願い。」
優里「…ふぅ。りょーかい。」
スタスタ…
(屋上)
幸花「…うっ…っ」(涙)
キィ…ガチャン
優里「…幸花?」
幸花「…優里…あっ」
(涙を急いで拭く)
幸花「ど、どうしたの?部活はもういいの?」
優里「…無理して笑うな。」
幸花「…え?」
優里「ふふ。無理して笑っても、幸花らしくないよ?」
幸花「…無理にじゃないよ…」
幸花「…でも…笑ってないと…涙出るから…」(涙)
幸花「…っ…」(涙)
優里「幸花…」
(幸花を抱き締める)
幸花「…っ…うっ…」
(声を出して泣く幸花)
10分後…
ガチャ…
麻里加「…優里。ありがとね。」
優里「ううん。幸史は?」
麻里加「…ごめん。説得はできなかった。でも、どっちにしても、メールぐらい一通してあげてって言った。」
優里「なんか言ってた?」
麻里加「話す事ないけど、俺も悪かったし…せめて謝るぐらいしねぇとな。だってさ。」
麻里加「で。幸花は何で寝てんの。」
優里「ふふ。泣き疲れたみたい。笑」
麻里加「もう…笑」
麻里加「あっ、そうそう。3人で明後日の日曜ショッピングでも行かない?笑幸花の気晴らしにさ。」
優里「いいね!行こ行こ!楽しみ〜」
麻里加「目的はあんたじゃないよ?笑」
優里「いいじゃん〜私達も楽しもうよ♪私達が楽しくなきゃ幸花も気晴らしになんないでしょ笑」
麻里加「そうだね♪」
―でも…次の日にメールが来るはずの幸史から、メールが来る事はなく、幸史もいなくなった。
家族には、家出する。という書き置きだけで、どこに行ったのかも全くわからない。
私達は探した。夜になっても探した。
けど見つからない。