「数学は全然無理…」
「昔からそーだよなー」
小学校の頃から数字は大嫌い。
「高校なんて、楽しんどきゃいいじゃん」
「だめだよ。勉強どんどん難しくなるから…」
今のあたしは、高校のペースに追いつけない。
「部活入んねぇのー?」
「運動はできないから…」
中学は調理部の部長だったけど…
あたしの高校には、なかった。
「あ!今男バス、マネージャー求めてんの。陽奈来てくんね?誰もこねぇーんだよ!」
「マネージャー!?あたし…できるかな?」
「できるできる!イケる?」
不安…でもバスケをしてる蓮くんは、すごく見たい!
「…うん!してみる!」
「すげぇ助かる!サンキュ!」
蓮くんの笑顔は、魔法みたい。
『好き』が積み重なっていく…
「陽奈って彼氏いんの?」
「ええええっ!?」
「そ、そんな驚くこと?」
今まで蓮くんに聞かれたことなかったから…
「彼氏はいないよ」
「彼氏…は?好きな人はいんの?」
好きな人…『蓮くんだよ』なんて言えない
「うん。いるよ!ずっと好きなの…」