あの頃は…考えても見なかった。
未来のことなんて考えず、全力で進んでいた日々。
ねぇ、キミは今幸せですか?

「沙栄ー!ここ解けない…」
「どこー?…ここさっきしたよ?」
春の暖かい日。
あたしたちは、高校入学後学力テストの勉強中。
あたしは、霧乃 陽奈。今年で高校1年生。
もう1人の沙栄って子は、あたしの小学校からの親友!
「陽奈ってさぁ…なんで数学だけ苦手なの?」
「知らないしー!でも…せっかく蓮くんと同じ高校なんだもん…頑張りたいよ…」
蓮くんは…あたしの好きな人。
高校2年生で、家はお隣さんで親同士仲もいい。
あたしは、気づいたら4年越しの片思い。
「陽奈は可愛いから大丈夫!あー沙栄も好きな人とか出来たらいいなぁ…」
沙栄は、素直で優しいし可愛い。
性格は世界一良いと思うし…
「あたし、協力するから!出来たら言ってね!」
「陽奈ありがとう!頑張らなきゃ…」
頭の良い沙栄との勉強会は大半が無駄話。
あたしも頭は悪くはない。でも数学は大の苦手。
「ってやば!もう塾の時間!陽奈またね!」
「うん!頑張ってー!!」
沙栄を見送った後、部屋に戻ってだらだら。
することもないから、お菓子を作ることに。
おかし作りは、めっちゃ得意!