「…行ってきます!!」



美沙に「ありがとう」と言って私はお箸を置いて立ち上がる。



勢いよく廊下を走り出して非常階段へと向かう。



運動不足のせいか、階段を登っているだけで苦しくなる。


けど、一人の時にしか誘えるチャンスはないから。



人の気配がして足を止めると、階段の踊り場で宮村くんが階段の横の壁にもたれながら目を閉じていた。



寝ているらしく、微かに寝息が聞こえる。



私は起こさないようにゆっくりと宮村くんに近づく。