私だって、この涙がなにかわからない。


でも。



「私は、宮村くんがずっと笑顔でいられるように、頑張るから」



私はそんな悲しい顔、させないから。



「もう下ろしてくれて大丈夫」と言って宮村くんの背中から降りる。



トンっと足が地面について、私はゆっくりと宮村くんを抱きしめる。



私の顔に宮村くんの胸がコツンっと当たる。



するとすぐに宮村くんも私の背中に手を回してきた。



「……ありがと、美優」




私の耳元でそう呟いた宮村くんの声は安心していている気がする。




今は忘れられなくても、いつかは私だけを見てほしいな。



さっきまでは代わりでもいいって思っていたけど、やっぱり私だけを想ってほしい。