私はポンと宮村くんの頭を撫でる。



すると一瞬、宮村くんの瞳が揺れた気がした。



「…お前に言っても、きっと理解できないぞ?」



「大丈夫だよ」



全然、大丈夫だよ。


私は理解できないとしても、それで少しでも宮村くんの心が軽くなるなら。



けど、そんな私と宮村くんに思わぬ邪魔が入った。


ジリリリリリ!!



「っきゃ!」


近くにあった木からセミが私と宮村くんの間をぐるぐると回りながら飛んでいった。