「おじゃましました」


「いえいえ、また来てね〜」


ペコッとお母さんに頭を下げた宮村くんは私の後ろをついてくる。


玄関で靴に履き替えた私と宮村くんはお互いに無言。



やっぱり、気まずいな。


こんな雰囲気は嫌だけど、宮村くんの前で上手く笑えれるか、分からない。



ガチャっと玄関のドアを開けて鍵をかけて私はふうっと深呼吸する。



「さあさあ行きましょう!」


あえて私は昨日のことは何も触れず学校に向かって歩き出す。



けど、やっぱり顔は見れなくて。



ああ、私ってこんなにヘタレだったんだって今更実感する。