「じゃ、俺行くから。じゃーな姉ちゃん」


玄関で靴に履き替えた幸人が私を一瞥して、扉を開けて出ていった。


さ、てと。


「早く着替えよっ」


だだだっとテンポよく階段を上がっていって素早く制服に着替えた私はリュックを持ってリビングへ戻る。



「宮村くん!…学校行かないの?」


まだお母さんと話していた宮村くんに問いかけると、宮村くんはお母さんに頭を下げて私の所へ来た。


「い、行こっか」


「…おう」



「二人とも行ってらっしゃい〜」



明らかにぎくしゃくしてる私達を見てお母さんはクスッと笑って私と宮村くんに手を振る。