「えっと〜、まずお名前なんだっけ?」


こほんっと可愛い声を出すために咳払いしたお母さんがキラキラとした視線を宮村くんに向けている。


……まじでお父さん見たら泣くよ?


うちのお父さんはごく普通のサラリーマン。


仕事があるらしく今日も朝早く家族のために働いてるのに…。


お父さんが可哀想で仕方ない。


「あ、宮村陽人です」


「はるとくんって言うの〜!いいお名前ね〜」



にこにことソファに座ってる宮村くんに微笑むお母さんは本当に幸せそう。



確かに宮村くんくらいのかっこいい人が突然家に来たら、ああなっちゃうよね。