「……彼氏じゃないし」


「…ふーん。でも姉ちゃんはあの人のこと好きだろ?」


「…好きだけど」


「じゃあ頑張って見た目も内面も磨いてあの人惚れさせなよ」



「ごちそうさま」と言って立ち上がって幸人はポケットの中に入っていたアメを私の手のひらに置いた。



そしてひらひらと手を振ってリビングを出ていった。



「……ありがとうね」


ぼそっとそう呟いた私は幸人から貰ったアメを握りしめた。



なんだかんだいって幸人は優しい。


まぁ、たまに余計なこと言うけどね。