「お前にぴったりじゃん。美優って」


「え、そんなことないよ」


せっかく宮村くんが褒めてくれたのに私はすぐに否定する。


だって、本当に名前だけは自分に合わないって思ってたのに。


宮村くんはなんで、そんなこと言うんだろう。


「どこも美しくないし、優しくないよ私は」


…どちらかというとずるい人間だし。



宮村くんにはこんな自分、知られたくないけど。



「心が美しいじゃん。あとお前普通に優しいし」


そう言ってぐいっと起き上がった宮村くんは伸びをして私の方へ振り返る。