「みんなと、はぐれちゃって…」


泣いたせいでガラガラな声でそう答えると、


「海の近くの花火大会に行ってたの?」


私の背中をさすりながらそう聞いてきた女の子に私はコクっと頷く。



「私も今からそこに行くから一緒に行こうか。まず、化粧が崩れてるからなおそっか」



優しくそう笑った女の子はカバンの中からポーチを取り出す。



「ちょっと落とすね」



そう言われて私は頷いて目を閉じる。



さっさと慣れた手つきで化粧をしてくれる女の子は多分私と同い年かひとつ上くらいだろう。