くるくるとコテに髪を器用に巻き付けながら真剣な表情の幸人を鏡越しで見つめる。



破壊的に不器用なお母さんに比べ幸人は基本なんでもそつなくこなすタイプ。



顔もまあまあ悪くはないからモテるのかな?



「…ねえ、幸人は彼女とかいないの?」


答えてくれない覚悟で聞いてみると幸人は一瞬手を止めたけど、



「…いねーし、そんなやついたこともない」



すぐにまた作業にもどる。



「じゃあこれからに期待じゃん」



別に好きな人ができないことは、おかしいことじゃないもんね。