「母さん、夜中ずっと動画見ながら浴衣の着付け練習してたよ」


胸元まで伸びた私の髪にクシを通しながら幸人は綺麗に着付けられた浴衣を見て嬉しそう言った。



…やっぱり練習してくれてたんだ。



優しくて、私のことをいつも考えてくれてるんだよね。




本当に自慢のお母さんだよ。




「だから母さんのためにも、あのイケメンさんと頑張れよ」



「うん。……って、えっ!?なんで分かったの!?」



「顔見たらわかる」



もしやうちの弟はエスパーかもしれない。



……そんなに私って顔に出てる?