ひーくん、佐渡光-サワタリヒカル-。
地元では一番の進学高に通う高校三年生。
絶賛、受験モードでなかなか最近会えてない。
ひーくんと付き合い始めたのは、私が中学1年で、ひーくんが3年の時。
忘れもしない12月7日。
ひーくんが部活を引退する、引退式の帰りに私が告白した。
ひーくん、告白した時に凄いびっくりした顔してて、
けど、なんか残念そうで。
「俺が先にしようと思ってたのに…」
って、私の頭をポンポン叩きながら、苦笑いしてた。
「まぁ、こんなやつだけど、よろしくお願いします」
「こ、こちらこそ、よろしくお願いします」
「…ってなんだこれ…っ」
「ほんとっ、嫁入り前の気分ですよっ!」
それから、なんだかお互い恥ずかしくなって、微妙な距離感で歩いて帰った。
ひーくんは、終始照れ気味で、チラチラ私の方を見ながら
「遠藤さんが俺に告白したんだもんな…嘘じゃないんだよな…ね」
って、口元を隠しながら言ってた。
「私だって、まさか佐渡先輩が告白オッケーしてくれるなんて…思ってなかったですし…」
「ね、いつから、俺のこと好きだったの?」
「ずっと気にはなってたんですけど…ほんと気づいたのは文化祭の、時です」
「文化祭かぁ…」
ひーくんは、軽く空を見上げながらそう言った。
「そ、そういう佐渡先輩こそ…い、いつから…?や、私の思い違いかも知れないんですけど、私のことほんとに好き…なんですよね…?」
そもそも、ひーくんとは歳も離れてたせいもあって、ずっと妹みたい、って言われ続けてた。
告白オッケーも妹として好きってのを勘違いしてるんじゃないかなって。