「はーる」
パフェを食べ終わった後、ふらふら二人でお散歩をして、私は公園のベンチでひーくんを待ってた。
ひーくんは、私の好きなレモンティーを買ってきてくれた。
「ありがとー!ひーくん」
「どういたしまして」
ひーくんは、缶コーヒーを開けて、ぐびーっと飲み干した。
「…それ、そんな美味しい?」
ひーくんが飲む缶コーヒーは、真っ黒なパッケージで、もう明らかにブラック!って感じだった。
「美味しいよ?はるもいる?」
「ひぇっ?!」
ひーくんは、そう言って突然キスをして来た。
いつもは、二人だけの時にしかやらなくて、外では絶対にそういうのをしたがらなかった。
あまりにもびっくりして、驚いたけど
「うぇっ、にっがい!!!?」
コーヒーの苦味の方が刺激的だった。
「そっか、はるにはまだ早かったね〜」
そう言ったひーくんの顔は、いたずらっ子のようで、無邪気な笑顔だった。
「ひーくん!!」
恥ずかしさと、苦さと、からかわれた悔しさの全部が織り混ざってて、とにかくひーくんの旨をバシバシ叩いた。
「次コーヒーの匂い嗅いだら、その苦味思い出したりしてね」
「え?!!それはやだよ!めっちゃ苦いもん!歯磨き粉の方がまだまし!!」
「そこまで言われると目の前で飲みたくなっちゃうなぁ」
ひーくんは、本当にいたずらっ子…じゃないや悪戯坊主!みたいな感じがした。
きっとひーくんはコーヒーを飲むたびにからかってくる。
そんな気がした。